久しぶりに生ログを見ていたら、スマートフォン版 Googlebot-Mobileのユーザーエージェントを発見しました。2011年12月にスマートフォン専用クローラーが発表され、ウェブマスターフォーラムで質問と回答が掲載されています。振り分けの処理や正規化の問題など気になる部分ですが、一番大きく影響を与える問題は、PCと検索結果が異なるのかどうかという点ではないでしょうか。
googleは、クローラーが収集した情報をどのように活用するかは回答していません。クローラー導入当初はPCとスマホの検索順位が変えるということを想定していたのかもしれませんが、個人的に今は低いと感じています。理由としては以下となります。
・クロスデバイスの発展
Googleアドワーズは、あらゆるデバイスや環境に合わせて広告を配信することが簡単になりました。また、クロスデバイスでのコンバージョン(携帯で広告をクリックして、PCで購入に至った場合でもgoogleアカウントを参考に成約データが集計できる)という新しい機能も生まれ、検索順位が異なってしまった場合に、ユーザーの利便性が損なう可能性があります。
・多機能(複雑)よりシンプル(簡単)へ
先ほどのエンハンストキャンペーンにより、複雑化したリスティング広告がシンプルになりました。スマホ、タブレット、フィーチャーフォンそれぞれで作成する必要があったキャンペーンが同一のものとなりました。Googleは、よりシンプルにして運営者の負担を軽減したいのではないでしょうか。そうすることにより、サイト運営はコンテンツ作成に集中することができ、検索結果に表示されるサイトが充実します。結果、検索エンジンの利用者にとって満足する検索結果が生まれることになります。リスティング広告はもちろん簡素化により、参入しやすく、設定の手間が省けることになります。
・レスポンシブ・ウェブデザインの推奨
Googleはすべてのデバイスで同一のURL、同じHTMLを使用して、CSSでデザインを変更することを推奨しています。別々で独自のサイトを作成する費用も軽減され、コンテンツの変更や更新も簡単になります。PCとフューチャーフォンの時代は検索結果は基本的には同じですが、若干異なっており、検索エンジンも完全にPCサイトとモバイルサイトを区別することができませんでした。外部リンクについてもPCとモバイルのURLが異なっていれば、評価を紐付することが困難な状況でした。
完全に同一の検索結果である必要はなく、もちろんスマートフォンに最適化されたコンテンツが差し込まれたり、表示されることがあるかと思いますが、基本的なエンジン自体を別々のものにするメリットがなくなってきているように感じます。