2013年2月18日 月曜日

アトリビューション分析でSEO対策の貢献度を測定する

SEO対策はインターネット広告です。広告であるならば、効果測定を行う必要がありますが、SEO対策はなぜか費用対効果をあまり考えない方が多いです。というよりも測定しずらいということですが、バナー広告やメルマガ広告であれば、KPI(目標値)はCPA(顧客獲得単価)いくらであるかがシビアに求められることになりますが、SEO対策のKPIはキーワードに対する順位となることが多いです。SEOは、その他の広告と比べて費用対効果が高いものの、ボリュームが少なくなりがちという特徴があります。

通常インプレッションやクリック数、期間保証やコンバージョン(成約)などが広告費を支払う基準となりますが、SEO対策の場合は順位や、施策による固定費用ということで、その他のWEB広告とは大きな違いがあります。ですので、広告といっても、SEOが好きな人はSEOばかり行う傾向があるように思います。また、その他の広告を主軸でプロモーションしている広告担当者は、当月に広告費が発生した効果が、数か月後になってしまっては、効果があったのかどうか、かなり先の話となってしまう為、他の広告と切り離して考えなくてはいけないので、SEOは後回しとなることが多いように感じます。

ですが、SEOも含めたメディアミックスが行われた場合には、SEOの貢献度を分析する必要があります。その他広告からSEOをはじめる場合にはあまり問題ないかと思いますが、SEOからその他広告もはじめるといった場合にはしっかりと覚えておくべき項目です。それではアトリビューション分析の説明ですが、コンバージョンに至るまでの間接的な効果を解析してみましょう。

例えば、9回裏ツーアウト3-0で負けている場面で、1番イチローがセンター前ヒットを打ち、その後盗塁、2番松井稼がノーストライク3ボールというところで代打川相がセーフティバント、3番金本が四球で出塁、4番松井がサヨナラ満塁ホームランを打った場合、誰が一番の貢献者かということです。もちろん一番の貢献者は松井です。最終的な勝負を決定付けたと言えます。では、それ以外の選手はまったく意味がなかったのかというとそうではありません。もしかすると、こういった場面では、必ずといって川相が関わっているというデータが出る可能性もあります。

広告の話に戻しますが、SEO対策ではセールストークの一つの中に、ブランディングという言葉が使われることもあるかと思いますが、ではそのブランディングの効果はどの程度あるのかというところまで測定する必要があります。但し、アトリビューション分析(間接効果)はそんなに簡単なものではなく、どのポジションを重要視するのかという部分で、様々な議論がされているところです。

ファーストクリック重視
一番初めの広告を重要視する方法、先ほどの例で言えばイチロー。ソーシャルの分野では、特に最初の広告がその後の口コミを決定付けるということで注目を集めている。

ラストクリック重視
最後の一歩手前のアシスト。先ほどの例で言えば金本。様々な広告媒体がある中で、特にコンバージョンの一歩手前を評価することが必要かどうか疑問視されているが、松井以外で一番記憶に残る可能性が高いという事実はある。

クリックスルー重視
クリックされた広告はすべて評価しましょうという評価基準。先ほどの例で言えば、松井稼以外全員(打席結果をクリックとした場合)。実際に広告と広告先WEBページまでを見ているので、広告主が伝えたいことは伝わっていると言える。

ビュースルー重視
広告を見た人をすべて評価しましょうという評価基準。先ほどの例で言えば全員(観客に見られたことをビュースルーとするならば)。実際に成果に対して少しでも影響を与えている箇所を評価することができる。

Googleアナリティクスでは、マルチチャネル機能で、コンバージョン経路を確認することができます。以下のような形です。

また、メディアごとの分析以外にも、参照元URLごと、ページ内URLごと、キーワードごとなどによって分析することができますので、様々な視点で貢献度の高い箇所はどこに偏っているのかを調べることによって、優先して改善すべき点を把握することができます。

2013年1月24日 木曜日

製品ライフサイクルとライフタイムバリューで見る適切なCPA設定

※この記事はBloggerで公開しておりましたが、当ブログと統合しました。

1.製品ライフサイクル
CPA3,000円以内に抑えてくれたら、どれだけ広告費をかけてもいいよ。こういうセリフはクライアントとの打ち合わせの中でよく出てくる話題です。広告担当者と広告代理店はあくまで担当者目線で“今”売上に対する効果が高ければ良いという考えを持つことがありますが、未来の会社のことを考えると、それは必ずしも正解ではないかもしれません。

マーケティング用語の中に製品ライフサイクルという言葉があります。その製品が生まれてから死ぬまで、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つのステージに分かれます。寿命は製品やサービスによって様々ですが、今自社で取り扱っている製品がどのステージにいるのかを把握することは非常に重要です。

成長期のステージにいる製品なのに、利益率やシェアが伸びていない場合には、いくら目標CPAをクリアしていたとしても、どういった未来が訪れるかを予想することは簡単です。衰退期に利益度外視でシェアを取る為に広告費を大量に投入することもまた良い戦略ではないのかもしれません。

それぞれのステージによって、また製品寿命によって適切なCPA設定をする必要があります。

2.ライフタイムバリュー
次にライフタイムバリュー(顧客生涯価値)ですが、顧客は、一度製品を購入してもリピーターとして将来に渡って利益をもたらすことがあります。製品やサービスによって、影響を受けにくい場合もあるかと思いますが、こちらも完全に無視していては、適切なCPA設定をすることができません。

また、メールマガジンやコンテンツ、その他様々な方法によって、顧客の満足度を上げる工夫も可能です。ネットショップなどは特にライフタイムバリューの影響を受けることが多い為、単月でのCPAを見ているだけでは、中々適切な広告費率を導きだすことはできません。

CPAの設定は非常に難しく、いくらが適切か考えたことがないという方は非常に多いです。ただ、インターネット広告のメリットである数値化しやすいという利点を使わないというのは非常にもったいないです。今までCPA設定も特にしなかったという方は一度考えてみてはいかがですか。

2013年1月18日 金曜日

一風堂のリターゲティング戦略による『O to O』成功事例

今は一風堂が近くにないのであまり行かなくなりましたが、2.3年前は1カ月に一度は行くというリピーターでした。最近博多のラーメン屋さんの細麺が大人気ですね。

O to O(オンライン・ツー・オフライン)という言葉を近頃よく耳にするようになりました。WEBから実店舗へ誘導するという戦略ですが、WEBからピンポイントで来店まで結び付けるということは、単純に費用対効果が悪いのではと考えていましたが、我らが一風堂が見事に成功事例を出してくれました。

リターゲティング広告というものがあります。これは、一度サイトに訪れたユーザーに対して、追跡してバナーやテキストなどを見せるという方法です。興味があるユーザーに対して、広告を配信するので、非常に費用対効果の良い広告と言われる一方で、同じバナーばかり出てくるので、「うざい」という印象をユーザーに与えてしまう問題点がありました。※配信数を調整することもできます。

一風堂はこのリターゲティングを使用することで見事来店頻度を高めることに成功したようです。一度購入したら、次に買い替えることが少ない製品やサービスは、リターゲティング広告の相性が少し悪いのかもしれませんが、飲食であれば、お腹が減った時にみせられれば、食べたいという気持ちは出てきます。

全国チェーンでなくても、地域を設定して配信できる広告がありますので、O to Oは今後飲食業界で使われることが多くなってくるのかもしれませんね。お腹が減ってきたので、一風堂のリターゲティングタグを踏みに行くことにします。⇒一風堂

博多ラーメン「一風堂」のネット広告戦略、リターゲティングで来店頻度向上
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmgp/20130108/241982/?P=2