タイムリーな話ではないですが、少し前にベリサインが、SSLを導入することによって、ロングテールSEO効果が期待できる、ということをアピールしたことが話題になりました。そんなものはSEOにはならないという声が多かったように記憶していますが、自分もそれはないなと、あまり調べることなく効果がないだろうと感じていました。ですが、条件反射で回答をするのもいけませんので、本当に効果があるのか、ないのかを考えてみたいと思います。
ベリサインのサイトはこちらです。
https://www.verisign.co.jp/welcome/lp/trustseal/lp_trial/index.html
SSLとは
SSLは情報を暗号化することで、個人情報を読み取られることなく、安全に情報の送受信をすることができるということで有名です。主にメールフォームや会員登録フォーム、クレジットカード情報を入力する際はSSLを使われています。
またそれ以外にもサイト全体がSSLになっているサイトもあります。これはサイト運営者の身元を確認することができるので、フィッシング詐欺などの対策にも使われます。フィッシング詐欺のサイトにもSSLを導入していた場合やURLも似たような場合には、わざわざユーザーがURLを覚えておく必要があるか気になるところですが、それは今回の話とは関係ないので触れません。
このような機能が主なメリットですが、それ以外にもメリットとなる機能があるようなので、一つ一つ考えていきます。
1.情報の送受信による暗号化
情報の送受信を行う上で暗号化されているということはユーザーにとって安心感に繋がります。SSLを導入していないサイトに比べて安心して個人情報の入力をすることができると思います。これ自体に検索エンジンの順位を上昇させる効果はありませんが、もしかすると、SSLが導入していないとリンクを張りたくないという人がいる可能性があります。あまり多くはないような気がしますが、まったくないということも言えないと思いますので、間接的にはSEOの効果に繋がる可能性があります。
2.運営者の身元確認
こちらも送受信と同様に直接的には身元が確認できるからといって検索エンジンの順位に影響を与えることはありません。ですが、本人確認の取れたコンテンツが順位に影響を与える可能性があるということで、今後SSLによる身元確認も大きな影響をあたるものになる可能性があります。また送受信の例と同様、サイト運営者の身元が確認できないとリンクを張りたくないというユーザーが少なからずいる可能性があります。
3.シールインサーチ機能
今回ランディングページで一番のSEO効果をアピールしているポイントとなります。一部の検索サイト(goo、OCN、BIGLOBE、Excite)、一部のセキュリティソフトを導入しているユーザーに対して、検索結果とあわせてマークを表示するというものです。対象となるユーザー数が気になる部分とはなりますが、全ページに適用されるということで、確かに表示されていると安心感にもつながり、ユーザーのクリック率は高くなる可能性があります。ですが、これはSEOというよりもSEMといった方がしっくりくると思います。
4.マルウェアスキャン
ウェブサイトを監視し検知時に通知するというもの。Googleのウェブマスター向けガイドラインにも「サイトがハッキングされていないかどうかを監視し、ハッキングされたコンテンツを見つけたときはすぐに削除する」ということが推奨されています。確かにウェブサイトがそういった被害にあってしまうことは、検索順位の下落につながります。あまり多いケースではないと思いますが、こういった配慮をする必要があるのかもしれません。直接的にSEO効果があるかという点ではありません。
まとめ
クリック率やアクセスが増加する可能性としては少しはあるのかなあという印象です。ロングテールSEOに効果があるかという点を考えた場合には、ロングテールとあえて付ける必要はないと思いますが、即効性があるものではないと思います。ですが、SSLを導入することがユーザーの安心感につながり、リンクを張ってくれるユーザーが増える可能性は少なからずあると思います。重要な点は費用対効果ですが、大規模でトラフィックの大きなコンテンツを運営しているサイトであれば、メリットはさらに高いもになる可能性がありますが、結構な費用がかかりますので、小規模サイトには厳しい選択になるかもしれません。